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凍結作用域と題述関係

外池 滋生 (青山学院大学)
田口 和希 (芝高校)

 英語にはJohn gave someone everything.やMaud draped a (different) armchair with every sheet のような例でsome/a>everyの解釈しか許さない凍結作用域の現象がある。これに対してBruening (2001)は優位性条件を用いて説明を試みているが、句構造理論を複雑化するという理論上の問題と同様の現象を示すSomeone has everythingやThe school denied/deprived some student (of) every privilegeのような例が考慮されていないという記述上の問題がある。代案としてBowers (1993, 2002)の題述関係の分析を一般化し、通常の題述を表すasと空形ASに加えて、具有の題述を表すwithと空形WITH、欠如の題述を表すofと空形OFを仮定し、凍結作用域を示す二つの要素の間にはgive、have、drapeではWITH/withによる具有の題述関係が、deny/depriveではOF/ofによる欠如の題述関係が成立していて、その結果作用域が凍結されるという説明を提案した。

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