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ブルシャスキー語における外来語の複数接辞について

吉岡 乾 (東京外国語大学大学院)

 ブルシャスキー語の複数接尾辞は 30種あるとも 70種あるとも言われている.どの名詞にどの接尾辞が用いられるのか,一意に決定するルールが存在しない.本発表ではブルシャスキー語の外来語における複数接尾辞選択の法則を,現地調査で得られたデータから考察し,下記のような条件を導き出した.

 大まかに以下の 2ツの分類の組み合わせで接尾辞は決まる: 1) クラスと品詞に基づいた 4ツのグループに付くものに分かれる,2) その異形態の現われは,語幹末音をその条件とする.更に,語幹のモーラ数と複数接尾辞の異形態の傾向を検討し,「より長い接尾辞がより頻繁にモーラ減少を伴う」という可能性を示した.より生産的であると推測される外来語の複数接尾辞体系であったが,実際は例外や不確定性も見受けられ,記述の難しさが重ねて浮き彫りになった.

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