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上ソルブ語dać使役文における被使役者のマーキング

笹原 健 (麗澤大学非常勤講師)

上ソルブ語の助動詞daćによる使役文(dać使役文)において,被使役者は表されないことが多いが,被使役者が表される場合,その表し方には,(i)与格,(ii)対格,(iii)前置詞句(wot+属格)の3通りがある.その使い分けは従来,統語的要請によると言われ,「与格 > 対格 > wot+属格」という格の階層に帰着する.

本発表では文の意味や使役者項・被使役者項の特徴を考慮することにより,被使役者格選択のより精密な記述を試みた.被使役者を明示する場合,上の階層を左右しているのは意味であり,統語による要請と意味による要請を組み合わせた被使役者項選択のアルゴリズムとして述べることができる.

 被使役者項の選択アルゴリズム
  A. 格の階層:与格 > 対格 > wot+属格
  B. はたらきかけの要因:使役者の制御可能性,被使役者の意志性
  C. i. はたらきかけの要因に関して積極的であれば,あるいは被使役者が有生であれば与格で表す.
    ii. Aの格の階層で空いている最上位の格で表す.

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