名詞前置型数量詞句と名詞句上位の機能範疇について
永末 康介 (カリフォルニア州立大学フレズノ校大学院)
本発表では、名詞前置型の数量詞(Numeral+Classifier [NC])を2種類に分類することで、名詞句(NP)の上位にKind Phrase(KIP)とQuantifier Phrase(QP)を仮定することの妥当性を示した。その2種類のNCを属性NC、数量NCと呼び、それぞれNP内とその上位に位置するQPに生起すると考え、KIPの主要部の位置には複数形態素「-たち」が生起するということを提案した。
(1) [QP 数量NC [KIP [NP 属性NC [ head noun ] ] (-たち)] ]
さらに、「NP+NC+格助詞」[学生5人が]タイプにおけるNCは数量NCとしてしか機能できないことを論じ、この構文は「NCの+NC+格助詞」[5人の学生が]からの統語的移動の結果としてできることを示した。