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不変化詞 up, over, through が示す完了の意味間の質的な差異について

滝本 幸世  (北海道大学大学院生)

本発表では、不変化詞up, over, throughがそれぞれ異なるアスペクトを示す動詞句と結びついて「完了」の意味を示すことを提案する。これまで不変化詞が示す「完了」の意味に関する研究は数多く存在したが、共起する動詞句との相性から論じたものは少なかった。共起する動詞句に共通する要素を明らかにすることが、「完了」を示す不変化詞について今まで明らかになっていなかった側面に焦点を当てることにつながると考える。

本発表では、2種類の前置詞句(in an hour/for an hour)との意味的適合性から動詞句の完了性を検証するVendler(1967)のテストを用いて、Tenny(1994)が示した「完了」を示す不変化詞が動詞句に対して果たす2つの役割に関して、upは基本的に完了のみを示す動詞句と結びついて完了の意味を強調する役割を持っており、throughは完了・未完了両方の解釈が可能な動詞句と結びついて完了の解釈のみに限定する役割を持っていることを主張する。

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