今帰仁方言の名詞アクセント-『沖縄今帰仁方言辞典』の再分析-
小川 晋史(神戸大学大学院生)
本発表においては『沖縄今帰仁方言辞典』に記載された今帰仁方言のアクセントについて、再分析を行う。『沖縄今帰仁方言辞典』に依拠してつくられ、web上で公開されている『今帰仁方言音声データベース』から2~4拍名詞を全て抜き出した3000語を越えるデータをもとに議論を進める。
『沖縄今帰仁方言辞典』を分析した先行研究において、今帰仁方言のアクセントはピッチの上がり目が重要であり、音節による多型もしくは3型のアクセント体系であると主張されている。本発表においては、ピッチの上がり目が重要であるという認識を先行研究と一にしつつも、拍による2型アクセントを主張する。そして、本発表の主張する2型アクセントでは3型アクセントを主張する先行研究よりもアクセント型を少なく設定しながら、より多くの語彙のアクセントを説明できることを示す。