日本人幼児の二重目的語構文産出における「に」句と「を」句の語順選好
田村 真一(東北大学・院)
小泉 政利(東北大学)
郷路 拓也(メリーランド大学・院)
桂 奈津子(東北大学・院)
金子 義明(東北大学)
遊佐 典昭(宮城学院女子大学)
行場 次朗(東北大学)
萩原 裕子(首都大学東京)
小泉 政利(東北大学)
郷路 拓也(メリーランド大学・院)
桂 奈津子(東北大学・院)
金子 義明(東北大学)
遊佐 典昭(宮城学院女子大学)
行場 次朗(東北大学)
萩原 裕子(首都大学東京)
本発表では,二重目的語動詞の意味が幼児の発話における「に」句と「を」句の語順選好に影響を与えることを示した。これまで二重目的語文の語順選好に関しては動詞の意味を考慮に入れた考察は殆どされてこなかったが,本研究ではKishimoto (2001)にしたがい,二重目的語動詞を所有変化動詞と位置変化動詞とに分け,それぞれの動詞の意味が表す状況を幼児に呈示し説明させることで,「に」句と「を」句がどのような語順で発話されるか調査を行った(誘引発話課題)。結果,所有変化では「-に-を」語順の方が,位置変化では「-を-に」語順の方がより多く発話され,動詞の意味と語順との間に有意な相関関係があることが明らかとなった。また,本研究の結果は幼児がいわゆるVP内かき混ぜ操作を自由に適用できることを示しており,この操作がA連鎖成熟のような一般的な問題を抱えていないことを示唆している。