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日本語かき混ぜ文の処理と節境界の挿入

小野 創(広島大学)
田中 潤一(ニューヨーク市立大学・院)
酒井 弘(広島大学)

日本語のかき混ぜ文は,通常語順の文に比べて処理負荷が高い事が観察されているが(Mazuka, et al., 2002; Miyamoto & Takahashi, 2002; Tamaoka, et al., 2005),負荷が生じる正確な位置やその理由についてはいまだ意見の一致を見ない。本研究では,かきまぜ文の中でもさらに処理付加が高いとされる二重かき混ぜ文(名詞句が,「に」「を」「が」の順で登場する)を対象に自己ペース読文課題を用いた3つの実験を実施し,「が」格名詞句と動詞の2つの領域で読み時間の増大が見られた事を報告する。名詞句位置での読み時間の増大についてはいくつかの研究によって検討されているが,動詞位置での読み時間の増加について検討した研究は少ない(Miyamoto, 2007)。本研究では動詞での読み時間の増大は,二重かきまぜによって生じた「に」「を」「が」格名詞句の連続が「が」格名詞句の直前への節境界の挿入を誘発し,その結果自動詞が予測されるようになったことで生じたと主張する。

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