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Control Cycle と文照応形 so, it の分布について

森 貞 (福井工業高等専門学校)

文照応形の so, it の使い分けの基準に関しては,これまでに様々な提案がなされているが,その中でも,より有効で汎用性が高いとされる Cushing (1972) の [±STANCE]〈主節の主語が補文の真理値に対して,定の態度 (definite stance) をとっているか否か〉(+は it,-は so)にあっても,〈定の態度〉の概念が曖昧であるという印象は免れない。この [±STANCE] の概念を Control Cycle (Langacker: 2002, 2004) を用いて捉え直すと,[+STANCE] は Action 局面から Result 局面に関わる範囲に相当し,[-STANCE] は Inclination 段階に相当する。上記の局面/段階に関する Langacker (2004) の比喩的説明を援用すれば,it は2つの山頂(ある知識を現実概念として取り込むかあるいは破棄するか)のいずれかに向かって実際に歩みを進めているか既に登頂済みの状態を記述するために用いられ,他方,so は分岐点においてルート選択が終わり,いざ登ろうとする直前の状態を記述するために用いられると言い換えることができる。

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