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タイ語の非現実性マーカーが生起する意味文脈の歴史的変化

高橋 清子 (神田外語大学)

通時的言語資料(13世紀末から20世紀後半に刻まれた石碑文)を用いてタイ語の非現実性マーカーが生起する意味文脈(非現実事態,モダリティ概念)の変化を追い,タイ語におけるモダリティ概念の特定化,分化の過程を考察した。18世紀以降に多く分化が見られ,その分化パタンについて以下の一般化を得た。(a)主観性あるいは意志性の値に変化があるパタンもあれば,さほど変化がないパタンもある;(b)主観性の変化は意味変化の一方向性の仮説に合致した「客観的から主観的へ」という方向性を持つ;(c)意志性の変化は「非意志的から意志的へ」という方向性を持つ。これまでの意味変化の研究では主観性の値が大して変わらない分化パタンについての言及はほとんどなかった。「拘束的(意志的)から認識的(非意志的)へ」という通説とは逆の「非意志的から意志的へ」という分化パタンが多く認められたことも注目に値する。

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