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オリヤ語の,被使役者の格の相違で区別される2つの使役構文

山部 順治(ノートルダム清心女子大学)

題材は,オリヤ語における,他動詞からできる2種の形態論的使役構文である。両構文は,被使役者の格が,目的格(≒日本語「に」または「を」)か後置詞(≒英語by)かで区別される。たとえば,「私(使役主)は,ボーイに(被使役者)[目的格/後置詞]テーブルを(動作対象)拭かせた[動詞使役形]。」。両構文の構造を明らかにする。

(1)目的格の使役構文において「二重目的格の制約」が適用されることは,句構造にかんして,同構文が単文であることを示す。また,次の(2)~ (5)が目的格の構文で不可能であり,後置詞の構文で可能であるという事実,および(6)での両構文の相違は,述語・項関係にかんして,目的格の使役構文が2つの述語からなり,前置詞の使役構文が単一の述語からなることを示す。(2)被使役者と動作対象の語順の入れ替え;(3)動詞使役形を動詞基本形で代替;(4)使役主と動作対象の同一指示;(5)補助動詞「取る」と共起;(6)動作対象の明示されていない所有者にかんする解釈の傾向。

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