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琉球語のクリティック-伊良部島方言の記述から-

下地 理則

本発表では南琉球語伊良部島方言(以下,伊良部島方言)におけるクリティックを記述する。伊良部島方言の文法記述における主要な単位は以下のようであり,クリティックもそのひとつである。
 形態的に定義した語(文法語):内部要素(e.g. 接辞類)の結束性で定義。
 音韻的に定義した語(音韻語):アクセントと最小条件(2モーラ以上)で定義。
 クリティック:1モーラの文法語で,アクセントの点で音韻語に付随する。
このようにして同定したクリティックは,アクセント・音素配列・形態音韻現象・句の構造において特徴的な振る舞いを示し,音韻・文法記述における重要な単位である。さらに,伊良部島方言では文法語の内部要素(接辞)が音韻語として自立している場合があり,クリティックのホストが接辞,という場合もあり得る(e.g. akjaada-mmi=nu (merchant-PL=NOM)「商人たちが」において,名詞語幹akjaadaと複数接辞-mmiは独立した音韻語であり,主格の=nu-mmiをホストとしている)。

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