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満洲語文語の三人称代名詞

山崎 雅人

本研究では,満洲語文語の二系統の三人称代名詞の機能について,『満文金瓶梅』と『擇繙満文聊齋志異』の全用例を網羅的に精査し,i 系人称代名詞には話し手が行為者の視点から語るなどの再帰的機能があることを論じたほか,文献毎の使用例数の比較などを通じて,この両系統の代名詞が使用される際の相違を具体的に論じた。mini baru songgome hendure gisun, eniye imbe tuttu gosime tuwara de, i ere gisun tucike doro bio sembi,(私の方に泣いて言う言葉は,奥様が自分をこんなに可愛がるのを見るに,自分がそんな言葉を言うはずがあるかと言うことです)。本来は物を指す tere は,akū oho tere(無くなったあの人)のように修飾成分を取ったり,be-liyan tacihiyan -i tere serengge(白蓮教の某は)のように発話の冒頭でも用いられる。また,i 系は (t)ere 系より使用頻度が少ないと言われるが,『擇繙満文聊齋志異』では,対格の imbe が (t)erebe((t)ere be を含む)よりも多く使われている。

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