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バンティック語とタラウド語のヴォイスシステムの比較―使役動詞を中心に―

内海 敦子

本発表ではオーストロネシア語族に属するサギル諸語のうち,バンティック語とタラウド語におけるヴォイスシステムの比較を試みる。特に,両者の違いが明らかになるのは使役動詞等を派生する接頭辞 pa-/paN- が付加された動詞においてであるため,使役動詞を特に取り上げる。両言語には一つのActive Voice,二つのUndergoer Voiceの計三つのヴォイスが認められる。タラウド語は主語の意味的な特徴によってヴォイスが選択されるシステムを持つのに対し,バンティック語はより文法化されたヴォイスシステムを持つ。例えば使役動詞のUndergoer Voiceにおいて被使役者が主語になるとき,タラウド語においては動詞が常にConveyance Voiceの形をとるが,バンティック語においては二つのUndergoer Voiceのうちどちらも取りうる。どちらをとるかはその使役動詞がmonotransitiveかditransitiveかによって決定される。

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