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日本語の“認識的「と」節”構文について

浅田 裕子

日本語において節を導く「と」は,thatと同様補文標識であると一般的に想定されている。本発表では次に代表される構文(認識的「と」節構文と呼ぶ)を検証し,この構文が「と」に関する従来の想定に対する反例を提示すると論じる。

  1. 遅いからと 立ち上がった (Martin 1975)
認識的「と」節構文では,CPである「と」節を補部にとるべき「言う」,「思う」などの認識的動詞が省略されているという分析が可能であるが,本発表ではその分析を排除し「と」節は主節のvPに付加するPPであると主張する。
この分析に基づき本発表は,ある要素が節導入という機能をもつことと,それが機能範疇であることは必ずしも等価でない(cf: Fukui and Sakai 2003)と結論し,認識的「と」節構文において語彙範疇が節導入という機能を備えているのは,Head Final言語である日本語の節埋込における経済的な要請によるものであると論じる。

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