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述語によって要求される「名詞のコト」形の意味

金 英周
酒井 弘

日本語の「名詞のコト」形式には,「のコト」の付加が随意的な場合と義務的な場合がある。本論考では後者のタイプの「名詞のコト」形について意味論的観点から分析を行い,以下の点を明らかにした。まず,「名詞のコト」形には命題の集合として解釈される場合(笹栗他1999)と,wh-疑問文の解釈を受け,命題関数を表示する変項名詞句(西山2003)の集合として解釈される場合とがある。前者は「話す」のように命題を要求する述語の補語となり,後者は「尋ねる」のように間接疑問文を要求する述語の補語となる。「名詞」と「のコト」の間の意味関係には,それぞれの場合で相違があり,命題の集合である場合の「のコト」は意味論上の一項述語で,名詞は属性の集合である「のコト」の項として結び付く。一方変項名詞句である場合の「のコト」は二項述語で名詞が項として「のコト」と結び付いているが,結び付けられた「名詞のコト」はさらに,命題関数xの値を埋めるべき変項を含む。

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