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認識的モダリティの制御原理(the ECP)の本質について

秋庭 大悟

von Fintel and Iatridou (2003)(以下F&I)では,根源的モダリティとは異なり,認識的モダリティが常に数量詞よりも高い作用域をとる事実を認識的モダリティの抑制原理(Epistemic Containment Principle: 以下ECP)と呼ぶ。本発表では,ECPの本質が数量詞繰上げにかかる条件であるというF&Iの議論が不十分であることを指摘し,その本質が階層構造によって説明されるものであると主張する。
日本語におけるECP現象はF&Iの仮説では説明されず,階層構造による説明が妥当である。英語の助動詞解釈とその統語的性質に関する分析を見直し,助動詞自身が意味的には空であり,モダリティ解釈は素性として位相主要部が担うという分析を提案する。これにより,英語でも日本語同様に階層構造によりECPの本質を捉えられ,通言語的に観察されるECPの制約に普遍的な説明を与える。

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