日本語/English
日本言語学会について
入会・各種手続き等
学会誌『言語研究』
研究大会について
学会の諸活動
その他関連情報

日本語二重目的語文の脳内処理における基本語順の効果

犬伏 知生,飯島 和樹,小泉 政利,酒井 邦嘉

日本語のような語順の自由な言語には,基本語順とかき混ぜ語順が存在する。本研究の目的は,語句を併合する際の語順の影響を明らかにすることである。本研究では,使役所有文(基本語順の例:彼女に油絵をあげた)と使役移動文(基本語順の例:油絵を天井にあげた)の2種類の文と,それぞれのかき混ぜ語順の文(例:油絵を彼女にあげた)の文法性判断課題時の脳活動を比較した。上の例で明らかなように,基本語順の直接目的語と間接目的語の位置は文の種類によって変化する。脳磁図を用いた計測の結果,動詞句の呈示から530 ms後から550 ms後までの間に,文の種類と目的語の位置の有意な交互作用が見られた。また,この時の脳活動は,どちらの文の種類でも基本語順において高い活動を示した。本研究の結果は,呈示された動詞句を併合する際に,基本語順がその脳内処理を促進する効果を持つことを示している。

プリンタ用画面

このページの先頭へ