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ヒンディー語・ウルドゥー語のrakhnaa(put/keep)による所有表現

今村 泰也

ヒンディー語では所有(XはYを持っている)は存在動詞を用いて,「Xの近くにYがある」「XYがある」「XYがある」のように表される(各構文の使い分けがある)。先行研究では「ヒンディー語には所有動詞がない」と記述されているが,本発表ではヒンディー語にも他動詞による所有表現があり,その際,rakhnaa(put/keep)が用いられることを指摘する。rakhnaaは主として抽象物の所有に使われ,具体物の所有には制約がある。ウルドゥー語は言語学的にはヒンディー語と同一言語であるが,八代(2000)がパキスタンで行った言語調査ではrakhnaaが具体物の所有に多用されているほか,分離不可能所有(例:A house has four walls.)にも使われている。rakhnaaを用いた所有表現が文法化(Heine 1997)によるのか,あるいは動詞自体の意味の拡張によるのかは現段階で断定できないが,ウルドゥー語の事例ではrakhnaaの所有動詞への発達が認められる。

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