日本語/English
日本言語学会について
入会・各種手続き等
学会誌『言語研究』
研究大会について
学会の諸活動
その他関連情報

中国朝鮮語延吉方言の敬語
―中称(hao体)を中心に―

呉 春姫

本発表は,中国の東北地方延吉で話されている朝鮮語の敬語(待遇法),中称(hao体)について考察したものである。構造と体系の両面から考察した結果,(1)中称(hao体)は平叙,疑問,命令,勧誘などがありきれいな体系をみせている。例えば,ka-(行く),cap-(食べる)の場合,平叙・疑問・命令はkao,caps'oで現れ,文は語調によって区別される。これは18世記に見られる活用と合致するが,ソウル方言で見られる*capɨoのような活用は存在しない。またソウル方言では「hao体」に勧誘形がないとの報告も見られるが,この方言ではkagio(<ka-ki-o)(行きましょう)のように語尾の前に-ki-を先行させれば勧誘形になる。このように語尾-oの前に先行する-ki-には勧誘の意が含まれていると考えられ,本稿では新たに勧誘を表す接辞に分類した。また,(2)hasio(疑問・命令・勧誘),haps'o(命令・勧誘),(3)hasips'o,hasips'io(命令・勧誘)などの体系も提示し,(1)は「中称」(2)は「中称」と捉えた。

プリンタ用画面

このページの先頭へ