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日本語のいわゆる「代名詞-名詞」構造と(代)名詞句の内部構造について

猪熊 作巳

英語の「代名詞-名詞」構造(例:we linguists)と一見並行的な表現が日本語にも存在することがFuruya (2004)などで指摘されている(例:ワタシタチ言語学者)。いずれの場合でも,代名詞が語彙的名詞句に先行し,この名詞句は全体として複数を表さなくてはならない(*I linguist,*ワタシ言語学者)。しかし日本語が主要部後続型の語順である点を考えると,先行する代名詞が主要部Dを占めるとは考えられず,むしろ名詞句の拡大投射内の指定部を占めると考えざるをえない。本発表では,この構造における先行要素に,代名詞のみならず,固有名詞や指示詞も生起しうる例を提出し,代名詞の指定部分析を支持する。一方で,これらの要素を含まない語彙的名詞(句)は依然としてこの構造の第一要素として認可されないことから,日本語においても,代名詞は語彙的名詞とは統語的に異なる位置に生起することを論証する。

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