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エストニア語の動詞 pruukima「必要だ;用いる」の多義性
─コーパスと辞書の記述に基づく考察─

松村 一登

現代エストニア語の標準語の辞書では,動詞 pruukima の語義・用法を,動詞の不定詞形を補語とし,「~する必要がある」の意味の用法(「語義1」)と,名詞の分格(partitive) 形を補語とし,「~を用いる」の意味の用法(「語義2」)とに大きく分ける。本研究発表では,現在のエストニア語の用法が現れていると考えられる新聞記事1年分(約636万語)を主たる言語資料,1910年代当時のエストニア語の用法が現れていると考えられるエストニア憲法制定会議議事録(1919~1920)を電子化したもの(約192万語)と,20世紀後半の文学的テクスト(約405万語)を補助資料とし,これらの言語資料から動詞 pruukima の用例をすべて抽出し,この動詞の語義1の用法に否定極性 (negative polarity) があること,また,この動詞の語義1は,モダリティを表す形式であると考えられることを明らかにした。

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