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南琉球宮古伊良部島方言におけるフット構造

下地 理則

本発表の目的は琉球語宮古伊良部島方言におけるフット構造を記述することである。本発表で明らかにするのは以下の3点である。

  1. フット構造は2モーラを基本とし,特別な条件下で3モーラフットを許す。
  2. フット形成は文節(語(+付属語))を単位に,文節頭から文節末に向かって生じる。
  3. 伊良部島方言の韻律パターンは,アクセントという語中の特定モーラに付与される特徴によって記述するよりも,①フット構造に分解し,②各フットに高ピッチと低ピッチを付与していくという2つのプロセスによって記述したほうがよい。これにより,この方言の難解な特徴である,高低ピッチの繰り返しが的確に記述できる。
上記の分析は,伝統的にアクセント論によって記述が試みられてきた伊良部島方言の韻律が,アクセントではなくリズム現象(高低の交替リズム)として再解釈できる可能性を示すものであり,琉球語の韻律研究に新しい視点を提供するものである。

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