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日本語母語幼児のとりたて詞「だけ」の解釈における「目的語指向性」

白畑 知彦,久野 美津子

日本語を母語とする幼児を対象に,とりたて詞「だけ」の解釈を調査したEndo (2004)は,多くの幼児が「主語+だけ」の解釈を,「目的語+だけ」の意味で解釈すると報告している。一方,Matsuoka (2007)は,Endo (2004)で得られたこの目的語指向性には,「だけ」に後続する格助詞(「が」「を」)の音声化の有無が大きく影響していると主張する。本発表者達は,はたして格助詞の音声化の有無により,「だけ」が含まれる文の解釈の困難度に差が生じるのかどうか追実験をおこなった。その結果,格助詞の音声化の有無に関わらず,「主語+だけ」の方が「目的語+だけ」よりも解釈が困難であることが示された。高い割合で「主語+だけ」を「目的語+だけ」の意味で捉えてしまう。このような非対称性の説明として,寺村(1991)の主張する,「だけ」の持つ「コト的意味」と「対比的な意味」を応用することにより説明を試みる。

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