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英語の語形成とV-A型の結果表現

長野 明子,島田 雅晴

英語の結果構文の中には,動詞と形容詞が隣接する対応形を持つものが存在する(e.g. John bleached the shirt white. / John bleached white the shirt.)。本発表の目的は,Taniwaki (2006)の議論を土台にし,隣接形(RVAと呼ぶ)を形態論の観点から検証することである。具体的には,RVAは(Taniwakiの主張するような)V+A型の複合動詞ではなく,結果構文から「語彙化」を通じて生じた表現であると主張する。これにより,英語の語形成には動詞複合は存在しないこと,英語の語形成は「右側主要部の法則」(Williams 1981)に従うこと,という原則が維持できる。N/A-V型動詞 (e.g. to baby-sit)は複合名詞からの逆形成動詞もしくは転換動詞であり,RVAとあわせて,英語において一見「複合動詞」のように見えるものは他の構造からの派生形であるといえる。さらに,語彙化分析では,第一にRVAの生産性,第二にRVAと結果構文の意味の違い,第三に複合形容詞形の有無を説明できる。これらの点はTaniwakiでは考察されていない。Taniwakiで言及されているRVAとParticle verbsとの関連性も同時に扱える。

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