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振り仮名付き日本語の活字表記のあり方について
―日本語教育への提言―

船津 好明

日本語に精通している者のための日本語の漢字には,通常,振り仮名を付けない。付けるとしても特別の場合に限られる。これに対して,日本語の学習者,例えば小学生,外国人などに対する漢字には,振り仮名を付けなければならない場合が少なくない。
現在,振り仮名付きの日本語の活字文を見るに,振り仮名において拗音や促音の識別がなされていない場合が多く,それらは無益な言文不一致を来たし,特に日本語の学習者を迷わせている。このことは,少年少女の勉学にとって好ましいものではなく,また,日本語を習得しようとする外国人などに対しては,あえて発音を誤らせ,その是正に多くの労を強いる結果となり,いたずらに日本語を難しいものにしている。
漢字に振り仮名を付ける以上,振り仮名において拗音や促音を識別すべきことは,読み手が日本語の学習者であると否とを問わず,何人に対しても理の当然であるが,現在,これが行き届いていない。発表の要点は,振り仮名について,付ける意義,付け方の原則,拗音と促音の出現状況,これらの識別の不徹底による弊害とその改善の方策などであり,結論として,振り仮名付きの活字文を製作する場合においては,先ず振り仮名の拗音や促音を識別するという方針を確立し,字の大きさ,字数,字間,行間,紙面の量などは,あとの調整にまつべきであると結ぶ。なお,振り仮名における拗音や促音の識別状況からみた個別出版物の評価を表によって示す。

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