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付加詞 (adjuncts) と VP の内部構造

高見 健一

従来,付加詞は X 理論において,一律に V2 (VP)に属すると考えられ,VP の内部構造は,動詞を下位繩躊化する (adverbial) complements と合わせて,次のように考えられている (e.g. Jackendoff 1977).

しかし,本発表では,手段,道具,様態,行為者等を示す付加詞と,時,場所を示す付加詞を区別し,VP の内部構造が (2) である事を提唱した(ここで前者の付加詞を central adjuncts, 後者のそれを peripheral adjuncts と呼ぶ)。

(2) の構造を支持する証拠として,両者の付加詞の順序関係に違いがあること (3a, b),前置に関して差が生じること (4a, b, 5a, b),前置詞残留に関して相違があること (6a, b, 7a, b) などを説明した。(3) a. The gang opened the safe with a drill after suset.
b. ?? The gang opened the safe after sunset with a drill.
(4) a. ?*With a drill the gang opened the safe.
b. ?*Carefully John drove the car.
(5) a. In 1988 prices will get higher and higher.
b. For seven yearsI have been studying French and Russian.
(6) a. What did the gang open the safe [with t]?
b. Who was Mary kissed [by t] ?
(7) a. *Which park was Mary proposed to [in t] ?
b. *Which vacation did John go to Hawaii [during t]?
さらに,最近の X 理論で考えられている two-level X 理論 (e. g. Chomsky 1981, 1986a, b) などでは,上のような相違が十分にとらえられないことを指摘した。

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