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On Back-Channel Behavior in Japanese and English Casual Conversation

Senko K. MAYNARD

ここでいう back-channel(あいづち)とは Yngve (1970), Duncan and Fiske (1985) 等の論ずる会話における (1) う-ん,uh-huh (2) ほんとう,is that right ? 等の表現,及び (3) 聞き手の頭の動き(うなずき)等を含む。
従来日米語の会話行為には差があると言われて来たが (Clancy (1982),水谷 (1983) 等),それらの指摘は具体的な比較可能な会話分析によっていない。本稿では類似した "context of situation" のもとに東京及びニュージャージーでヴィデオ録画された12組の日米語の日常会話をデータとして、まずあいづちの定義,談話上の機能,あいづちのおこりやすい談話上のコンテクストを論じ,次に日米語における類似点,相違点を指摘する。
機能として Schegloff (1968) の論ずる "sequencing" の概念をもとに (1) (1) "continuer" (2) 内容把握のシグナル,(3) 話し手に対する empathy,(4) 同意,(5) 感情表現のリスポンス をあげ,あいづちの discourse context としては,(1) 文及び発話の切れ目,(2) 終助詞,間投助詞,ね(え),さ(あ)等のあと,(3) 話し手が発話のおわりでするうなずきの動作,をあげる。米語では日本語の助詞と類似した機能を持つ you know 等(Bernstein (1962) の言う "sympathetic circularity sequence")も discourse context と考えられるが実際には,その頻度は低く,文,発話の切れ目がおもな discourse context と考えられる。
あいづちの頻度に関しては,日米両語とも6組のうち各3分間の会話中,日本語では227個所,米語では73個所で,いちじるしい差が見られる (t=7.78, df=10, p<.001, two-tailed test)。
このことは語彙,シンタクスにおける "linguistic relativity" だけでなく,conversation management 等の会話行為においても "interactional relativity" とも言うべきコミュニケーションの特殊性(又は Tannen (1984) のいう "conversational style" の差)が見られることを示している。

文 献

  • Bemstein, B. (1962). Social class, linguistic codes and grammatical elements. Language and Speech, 5, 221-240.
  • Calncy, P. (1982). Written and spoken style in Japanese narratives. In D. Tannen (ed.) Spoken and written language, 55-76. Norwood, NJ: Ablex.
  • Duncan, S. and D. Fiske. (1985). Interaction structure and strategy. Cambridge: Cambridge university Press.
  • Mizutani, N. (1983). Aizuchi to ootoo, In O. Mizutani (ed.) Hanashi kotoba no hyoogen, 37-44. Tokyo: Chikuma Shoboo.
  • Schegloff, E. (1968). Sequencing in conversational openings. American Anthropologist 70, 1075-1095.
  • Tannen, D. (1984). Conversational Style. Norwood, Nj: Ablex.
  • Yngve, V. (1970). On getting a word in edgewise. Chicago Linguistic Society, 6th, 567-578.
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