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特別寄稿

Minimalism: Where Are We Now, and Where Can We Hope to Go

Noam Chomsky (University of Arizona/MIT)

Key words: Enabling Function of Strong Minimalist Thesis, FormCopy, Form-Sequence, M(arkovian)-gap, Minimal Yield

特集 文法と情報構造

日本語の反応態度的な「何も」について――否定極性項目の新たなクラス――

澤田 治(神戸大学)

日本語の否定極性表現(NPI)の「何も」には,「量化用法」と話者の否定的態度を表す「反応態度」用法があるが,後者は前者と異なり,非命題レベルで使われ,モダリティと共起するという点で通常のNPI には見られない特性を有している。本稿では,反応態度的な「何も」は,発話状況で際立った(活性化された)命題p は極端で必然的ではないという話者の感情を慣習的推意(CI)として表出しており,その極性およびモダリティとの共起性は,「何も」のCI と「意味論レベルとCI レベルで態度は一貫していなければならない」という一般的な語用論的制約との相互作用により説明することができることを論証する。これまでのNPI の研究では,統語論的・意味論的メカニズムにより認可されるNPI に焦点が当てられてきた。本研究では,自然言語には,否定的な反応・態度的な語用論的機能により否定環境で現れる新たなタイプのNPI が存在することを示す。

情報・談話構造とトピック――料理チャンネルの談話分析から――

下條光明(ニューヨーク州立バッファロー大学)

日本語における主題文は文の情報構造と密接に関わるが,話者が意図する談話構造とも大きく関係することは,語りの談話等を除きあまり議論されてこなかった。本稿では,YouTube 料理チャンネル動画における主題文の用法を中心に,料理談話での主題文と談話構造との関係を考察する。これまで,料理レシピやテレビの料理番組では主題文が材料準備の教示発話に使われることが指摘されてきたが(青山1987, Moriya 1993, Shimojo 2019; Kaneyasuand Kuhara 2020),この様な並列教示の主題用法はYouTube 動画ではあまり見られず,これはレシピの簡単さや時短を謳うYouTube 料理動画で意図される直線的な談話提示と関係することを示す。一方で,料理動画で非教示発話に用いられる主題文は教示発話との結束性を示し,テレビの料理番組での用法と一致する。さらに,談話データにおける観察に対して,情報構造,談話構造,また主題文使用における個人差も視野に入れ,役割指示文法(Van Valin2005)に基づいた文法的説明も試みる。

アラビア語チュニス方言のVS 構文による語りの構造化

熊切 拓(東京大学大学院人文社会系研究科研究員)

本稿では,アラビア語チュニス方言において動詞-主語の語順となるVS 構文の機能について,物語テクストを対象として分析を行った。まず,登場人物などが主語となるVS 構文が,「場面の主役」,場面の「場所」・「時間」を設定し,前景の語りにおいて場面転換のきっかけとなる用法について検討し,さらに物語での実際の語りに即してその用法を確認した。次いで,この場面転換という用法が,VS 構文のもつthetic な新情報提示という機能に由来することを論じ,VS 構文,SV 構文,V 構文の前景の語りにおける機能の違いを明確にした。また,情報構造の観点からこの場面転換のVS 構文を論じ,この構文を,語りの内容についての情報を伝達するという共通基盤コンテント的側面と,語り方についての情報を伝達するという共通基盤マネジメント的側面から分析した。そこで,「場面の主役」の転換がVS 構文によってなされる場合と,なされない場合があることを,この共通基盤マネジメントという観点から説明した*。
キーワード:アラビア語,動詞文,語順,共通基盤,前景の語り

論文

第二言語理解におけるフィラー・ギャップ依存関係形成のタイミング

峰見一輝(東京大学/日本学術振興会 特別研究員)・矢野雅貴(東京都立大学)

本研究は,自己ペース読文実験を用いて,日本語母語話者が英語の関係節を読む際に,文中のどの時点で長距離依存関係を構築し始めるかを検証した。実験1 では,関係節主要部と動詞の意味的関係が不自然である場合に,動詞位置で読み時間の増大が確認された。この結果は,日本語母語話者が少なくとも動詞を読んだ直後に,長距離依存関係を構築していることを示唆している。さらに,もし関係節動詞が出現する前に,予測的に依存関係が構築されているなら,動詞が自動詞であった場合,予測との不一致により読み時間が増大するはずである。しかし実験2 では,そのような結果は観察されなかった。つまり,日本語母語話者は,動詞を読む前に予測的に依存関係を構築しているわけではない可能性が示唆された。本研究は,非母語における予測的処理は限定的であるという先行研究の知見が,長距離依存関係という複雑な構造処理のレベルにまで該当することを示している。

典型的命令文と非典型的命令文の意味論・語用論とその棲み分け

井原 駿(神戸大学)

近年の命令文研究における議論の主な争点として,「命令文がその意味表示(semantic denotation)としてモーダル(modals)を持つか否か」というものが存在する。いわゆるミニマル理論(Minimal Theories)では,命令文のための語用論的オブジェクトを仮定し,発話文が指示(directive)の言語行為として解釈されるメカニズムを語用論の領域で説明する(Portner 2004, 2007, von Fintel and Iatridou 2017 など)。これに対してモーダル理論(Modal Theories)では,命令文の意味表示としてモーダルを仮定する立場を採用し,主として意味論の領域から命令文の振る舞いに分析を与える(Han 2000, Kaufmann 2012, Condoravdi and Lauer 2012, 2017 など)。本稿では,まず,二つの異なる形式を持つ命令文の間に見られる多様な振る舞いの差を提示する。その上で,命令文における意味論的意味と語用論的意味が棲み分けされた形式的枠組みを提案し,各命令文の意味の違いを「文がモーダルを持つか否か」の観点から捉えられることを示す。本研究は,従来対立していた理論間の競合を解消し,両理論の背後にあるアイディアを統合した第三の理論として位置付けられる。また,このような理論的貢献に加えて,本研究はこれまでに焦点が当てられてこなかった典型的命令文と周辺的命令文の差異を形式意味論の見地から包括的かつ仔細に観察したものとして記述的価値を持つ。

限定の意味を表すとりたて詞の「第二陳述」の理論的位置づけ
――日本語のダケとシカの分析――

井戸美里(国立国語研究所)・窪田悠介(国立国語研究所)

本論文では限定の意味を表すとりたて詞ダケとシカの分析を試みる。広く知られているKuno(1999a)の提案では,ダケ文では肯定命題が主陳述,否定命題が第二陳述となり,シカ文では逆に否定命題が主陳述,肯定命題が第二陳述となる。この分析は魅力的だが,「主陳述」と「第二陳述」の概念の内実が明らかでない。本論文では,Tomioka(2015)による最大値演算子(maximality operator)を用いたダケの分析に基づき,ダケとシカの第二陳述は最大値演算子の意味から副次的に生じる派生的含意(Kubota 2012)であると分析する。このことにより,主陳述と第二陳述の区別に理論的裏付けが与えられる。提案する分析は,論理学における限定表現に関する長年の対立を新たな角度から捉え直し,そのことによりいわゆる「投射的意味」に関する最近の形式意味論・語用論分野での論争に一石を投じることを目論むものである。

バントゥ諸語における否定および焦点表示形態論に関するミクロ類型論的連動関係

品川大輔(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)・ルッツ・マーティン(ロンドン大学SOAS)

本研究は,「バントゥ諸語形態統語バリエーションデータベース(BMV)」(Marten et al. 2018)にまとめられた計量的データをもとに,バントゥ諸語における否定表示と焦点表示との間に見られる言語構造上の類型論的な相関関係を明らかにすることを目的としている。BMV は,バントゥ諸語内部の形態統語論レベルの類型的多様性を把握するための142 のパラメータ(Guerois et al. 2017)に基づいて構築されているが,そのうちの否定表示に関する4つのパラメータと,形態論的焦点表示形式(MFM)の有無に関するパラメータの値の連動関係の分析からバントゥ諸語における否定表示と焦点表示との間に見られる言語構造上の類型論的な相関関係を明らかにすることを目的としている。BMV における主節動詞の否定に関する4 つのパラメータと,形態論的焦点表示形式(MFM)の有無に関するパラメータの値の連動関係の分析から,i)動詞後否定表示を行う言語は高い確率でMFM を有し,またii)明示的なMFM を有さない言語は動詞否定接頭辞表示を用いる顕著な傾向がある,という2 点が有意な傾向として導出された。これに対し,否定の内在特性としての焦点性,動詞後否定詞の文法化過程,そして動詞外否定構文における焦点対照性という3 点からミクロ類型論的な解釈を試みた。

フォーラム

定形繰り上げ(と不完全時制)の批判的検討――「ようになる」の意味的分析――

阿久澤弘陽(京都大学)・窪田悠介(国立国語研究所)

「ように」節をとる変化動詞「なる」は繰り上げ動詞と類似した性質を示し,補文時制辞がル形のみ可能なことから,補文時制が不完全時制(defective tense)の定形繰り上げ(finite raising)として分析されることがある(Uchibori 2000, Fujii 2006)。本論文では「ようになる」構文の統語的・意味的特徴を再検討し,否定極性表現の認可と間接受身に関する統語的振る舞いから「ようになる」は非繰り上げ構造であること,また,補文時制辞の分布は「ようになる」が習慣(またはある種の恒常的状態)の意味を含むという語彙意味的特徴から自然な帰結として導かれることを示す。本論文での結論は,意味的特徴を精査することで,従来「擬似的な不定形節」として扱われてきた構文の統語分析を単純化できることを示した点において,近年の定形コントロール(finite control)に関する再検討(Akuzawa and Kubota 2020, Kubota and Akuzawa 2020)に通ずるものである。

日本語の様態副詞と結果述語の統語論

畠山雄二(東京農工大学)・本田謙介(茨城工業高等専門学校)・田中江扶(信州大学)

「雑に髪を赤く染めた」のように,様態副詞「雑に」と結果述語「赤く」は共起が可能である。しかし,「* 赤く雑に髪を染めた」のような語順にすると非文法的になってしまう。本稿では,この非文法性は統語的なものであり,様態副詞と結果述語が共起する場合には(i)のような《反構成素統御条件》が遵守される必要があると主張した。
(i) 反構成素統御条件(anti-c-command condition)
 様態副詞は結果述語によって構成素統御(c 統御)されてはならない。
キーワード:様態副詞,結果述語,反構成素統御条件

非難の因果構文のル形の生起条件と否定的ニュアンス生成のメカニズム
――日本語母語話者への言語内省アンケートから見えるもの――

小玉安恵(カリフォルニア州立大学サンノゼ校)

本論では,非難の因果構文と呼ばれるルカラ~ノダの生起条件及び否定的ニュアンス発生のメカニズムを明らかにすべく,日本人母語話者48 名にアンケートを行なった。結果,文法性判断には,1)非難の対象,2)因果の一般法則性,3)カラ節動詞の意志性の三つの要素が,この順に重要なことが判明した。次に,前件後件の主語と時制形を変数とした非難のニュアンスの強度判断では,同主語では「ル-ル」,「ル-タ」,「タ-タ」の順に強かったが,異主語では「ル-ル」と「タ-タ」が拮抗した。後件文完成テストでは,カラ節内動詞がタ形よりもル形の場合に否定的な後件を書く割合が高かった。これらから,非難の因果構文のニュアンスは,同主語同時制の場合に適用可能な田村(2013)の語用論的使用条件及び意味論の他に,カラ節情報の1)文末ノダによる焦点化と2)ル形の選択に伴う前景化によって,原因及び責任が強調されることにより生じると主張する*。
キーワード:非難の対象,一般法則,意志性,責任,語用論的強化

Special Contribution

Minimalism: Where Are We Now, and Where Can We Hope to Go

Noam Chomsky
(University of Arizona/MIT)

Key words: Enabling Function of Strong Minimalist Thesis, FormCopy, Form-Sequence, M(arkovian)-gap, Minimal Yield

Featured Theme: Grammar and Information Structure

The Japanese Reactive Attitudinal Nani-mo: A New Class of Negative Polarity Items

Osamu Sawada
(Kobe University)

In Japanese, there are two kinds of nani-mo: a quantifier nani-mo and a reactive attitudinal nani-mo. Although both types of nani-mo are negative polarity items (NPIs), the reactive attitudinal nani-mo has distinctive properties that the quantifier nani-mo (and typical NPIs) do not have. The reactive attitudinal nani-mo is non-propositional and usually appears with a negative modal. I argue that the meaning of the reactive attitudinal nani-mo conventionally implies that the speaker considers that the given proposition p, which is salient in the discourse, is extreme and unnecessary, and they object to p in a weak manner (i.e., not totally objecting to p). I then argue that the polarity sensitivity and occurrence with a modal in the case of the reactive attitudinal nani-mo are explained based on its lexical meaning and the general pragmatic constraint of attitude matching. It is generally assumed that NPIs are licensed by negation or downward-entailing operators (e.g., Ladusaw 1980) and non-veridical operators (e.g., Giannakidou 1998) at the level of syntax and logical structure. This paper shows that there is a new kind of NPI, a “reactive attitudinal NPI,” that is not licensed by logical operators but, rather, requires a negative element due to its pragmatic function of objection.*
Key words: negative polarity item, reactive attitude, modality, conventional implicature, discourse

Information and Discourse Structures and Topics: A Study of Japanese Cooking Show Discourse

Mitsuaki Shimojo
(University at Buffalo, The State University of New York)

This paper discusses the usage of the topic-comment articulation of a sentence in Japanese cooking show discourse and argues that the description of the usage requires both information- and discourse-structural considerations. The analysis addresses two functions of topics: presenting cooking instructions as parallel procedures and connecting non-task-oriented utterances to the mainstream instructions. While the latter is observed in both TV and YouTube cooking show discourse, the YouTube discourse rarely uses the former and presents instructions more linearly, contrary to observations in other sub-registers of cooking discourse (Aoyama 1987; Moriya 1993; Shimojo 2019; Kaneyasu and Kuhara 2020). This study argues that the observed variations correlate with differences in discourse presentation rooted in different priorities: recipe clarity for the TV discourse and simplicity/brevity for YouTube. The discourse observations are also discussed in Role and Reference Grammar (Van Valin 2005) for grammatical descriptions of the usage of topics.*
Key words: topic-comment, contrastive topic, Japanese, cooking discourse, recipe structure

Structuring the Narrative: Function of VS Clause in Tunis Arabic

Taku Kumakiri
(Research Fellow of Graduate School of Humanities and Sociology, University of Tokyo)

This paper discusses the function of Verb-Subject order in the narrative of Tunis Arabic. When the VS clause appears in the foreground discourse and its subject is a character, it causes shift of scene by setting a central character of the scene, its place, and its time. The paper demonstrates how this VS clause functions by examining the actual narrative sample. This function of scene shifting is connected with the basic function of VS clause, which thetically presents new information in the context. On the basis of this view, this paper clarifies the functional difference of the VS clause, SV clause, and V clause in the foreground discourse of the narrative. Further discussion is made in terms of information structure. This paper argues that scene shifting VS clause has two functions—that of Common Ground content, which conveys the information of the narrative’s content, and Common Ground management, which is concerned with narration itself. This framework explains exceptional shifts of scene without the VS clause.

Articles

The Timing of Filler-Gap Dependency Formation in Second Language Comprehension

Itsuki Minemi
(The University of Tokyo/JSPS Research Fellow)
Masataka Yano
(Tokyo Metropolitan University)

This study investigated at what point in a sentence native Japanese speakers begin to build long-distance dependencies while reading English relative clauses (RCs) by conducting two self-paced reading experiments. Experiment 1 revealed that Japanese learners of English construct long-distance dependency immediately after reading a verb by demonstrating “plausibility mismatch effects” at the verb site. On the contrary, Experiment 2 did not find evidence that they form a long-distance dependency before a verb, that is, no “transitivity mismatch effect.” On the basis of these results, this study proposes that Japanese learners of English initiate long-distance dependency formation immediately after encountering a verb, but it does not precede the appearance of a verb. This extends previous findings that it is difficult to generate predictions in the processing of non-native languages, to a structural processing level.*
Key words: Psycholinguistics, Sentence Comprehension, Non-Native Language, English, Filler-Gap Dependencies

Division of Labor between Semantics and Pragmatics of Canonical and Non-canonical Imperatives

Shun Ihara
(Kobe University)

Abstract: Recent work on imperatives has explored what enables sentences to convey the directive meaning. The “minimal” theories assume an imperative-oriented pragmatic content (e.g., Portner 2004, 2007, von Fintel and Iatridou 2017, among others), which does the heavy lifting that is required to convey the meaning. The “modal” theories, in contrast, assume that it is a semantic modal that derives the diverse interpretations of imperatives (e.g., Han 2000, Kaufmann 2012, Condoravdi and Lauer 2012, 2017, among others). This paper addresses this controversy and proposes a division of labor between the contributions of semantic and pragmatic meanings of imperatives, focusing on the two different types of imperatives in Japanese. I conclude that the process by which the directive meaning is generated differs depending on the components that each type encodes. The resulting account eliminates the competition between the minimal and modal theories, by synthesizing the underlying ideas behind them. It also sheds light on the different ways in which sentence ‘forms’ interact with sentence ‘types’ and contexts to modify the illocutionary force of an utterance.*
Key words: imperatives, modality, semantics, pragmatics, Japanese

The Hidden Side of Exclusive Focus Particles: An Analysis of dake and sika in Japanese

Misato Ido
(NINJAL)
Yusuke Kubota
(NINJAL)

This paper proposes an analysis of two exclusive focus particles in Japanese: dake and sika. Our starting point is the idea, originally due to Kuno (1999a), that the meanings of dake and sika have two components. For dake, the prejacent (i.e. the positive statement without the focus particle) is the ‘primary assertion’ and the exclusive meaning is the ‘secondary assertion’ whereas the primary/secondary status of these meanings is exactly opposite for sika. While Kuno’s proposal is intuitively appealing, the formal statuses of the notions of ‘primary’ and ‘secondary’ assertions have not been clarified in past literature. The goal of this paper is to offer a principled theoretical explanation for this distinction, and thereby contribute to the literature on the meanings of exclusive focus particles. Specifically, we formulate a formal analysis by building on Tomioka’s (2015) analysis of dake in terms of the maximality operator and by identifying the secondary assertion as a particular type of derived entailment (in the sense of Kubota (2012)) that is triggered by the maximality operator. The proposed analysis represents a new synthesis of the ‘symmetricist’ and ‘asymmetricist’ analyses of exclusive focus particles, with implications for the debate on the typology of ‘non-at-issue’ entailments within current formal semantics literature.*
Key words: dake/sika, focus particle, maximality, projective meaning, conventional implicature

Micro-typological Covariation of Negation and Focus Marking Morphology in Bantu Languages

Daisuke Shinagawa
(ILCAA, Tokyo University of Foreign Studies)
Lutz Marten
(SOAS, University of London)

This paper investigates the typological correlation between negation marking and focus marking based on the ‘Bantu Morphosyntactic Variation Database’ (Marten et al. 2018) compiling linguistic data obtained through 142 parameters to capture morphosyntactic microvariation in Bantu languages. Based on the inter-parametric analysis on the correlation between four parameters related to main clause negation marking and one parameter related to morphological focus marking, two typologically significant correlation are established: 1) languages with a postverbal strategy for main clause negation highly tend to have a morphological focus marker, and 2) languages lacking a morphological means of focus marking tend to adopt the preinitial strategy for main clause negation. These two tendencies can be explained from three perspectives, namely, 1) focus as inherent nature of (pragmatic) negation and the incompatibility of preinitial negation with an additional morphological focus marker, 2) the grammaticalisation path from a locative as a focus marking element to postverbal negation particle, and 3) ‘focus contrast’ as a structural requirement in the postverbal negative particle constructions.*
Key words: Bantu languages, Morphosyntax, Microvariation, Focus, Negation

Forum

Against Finite Raising (and Against Defective Tense): A Semantic Analysis of -yooni naru in Japanese

Koyo Akuzawa
(Kyoto University)
Yusuke Kubota
(NINJAL)

The change of state verb naru behaves like a raising verb when it takes a yooni-marked complement clause. The syntactic status of the subject argument in this construction has been controversial in the literature. While some authors (e.g. Shibatani 1978) have argued that the -yooni naru construction takes an expletive subject, Uchibori (2000) and Fujii (2006) analyze it as a case of what they call ‘finite raising’, in which the embedded subject syntactically raises to the matrix clause. According to Uchibori and Fujii, such an analysis is supported by the fact that the embedded tense in the -yooni naru construction is ‘defective’, since only the nonpast tense form can appear in the complement clause. In this paper, we reconsider the syntactic and semantic properties of the -yooni naru construction, and show that the finite raising analysis lacks any strong support either empirically or conceptually. Empirically, syntactic tests such as NPI licensing and indirect passive point to the conclusion that an alternative, non-raising analysis is better. Conceptually, the distribution of the tense morpheme in the embedded clause, the key evidence for its alleged ‘defective’ status (and hence for the finite raising analysis), receives independent explanation from the lexical semantic properties of -yooni naru as a change of state predicate involving a habitual (or homogeneous) meaning component. Our conclusion is in line with the recent reconsideration of ‘finite control’ in Japanese by Akuzawa and Kubota (2020) and Kubota and Akuzawa (2020) in that a careful semantic analysis simplifies the syntactic properties of certain ‘infinitive-like’ constructions in Japanese with overt tense marking.*
Key words: raising, defective tense, tense, habituality, Japanese

The Syntax of Manner Adverbs and Resultative Predicates in Japanese

Yuji Hatakeyama
(Tokyo University of Agriculture and Technology)
Kensuke Honda
(National Institute of Technology, Ibaraki College)
Kosuke Tanaka
(Shinshu University)

As in the sentence Zatsu-ni kami-o akaku someta (I dyed my hair red roughly.), the manner adverb zatsu-ni (roughly) and the resultative predicate akaku (red) can co-occur in a sentence. However, the reversed word order of zatsu-ni and akaku, *Akaku zatsu-ni kami-o someta, becomes ungrammatical. Close examination of the data suggests that when a manner adverb and a resultative predicate co-occur, the syntactic anti-c-command condition given in
(i) must be observed.
 (i) Anti-c-command condition:
  The manner adverb must not be c-commanded by the resultative predicate.

Occurrence Conditions of Ru-form in Causal Construction for Blaming and its Mechanisms of the Nuance Generation

Yasue Kodama
(San José State University)

The present study conducted a linguistic survey to 48 Japanese native speakers in order to clarify the occurrence conditions of a tense form RU with kara-clause verb in so-called Causal Construction of Blaming (hereafter CCB, RU kara, ~noda) and the generative mechanism of its negative nuance. First, the result of the subjects’ grammatical judgement to the causal sentences with three variable factors, 1) clarity of the object blamed, 2) generality of causal relation, and 3) volitionality of kara-clause verb showed that they are important in this order to be judged grammatical. Next, the native speakers’ intensity judgement of the negative nuance depending on tense and subject demonstrated that RU-RU was the strongest, RU-TA the second, and TA-TA the weakest when kara-clause and main clause share the same subject, whereas RU-TA and TA-TA were equally strong unless sharing the same subject. The last main clause completion test result indicated that negative contents tend to be written in main clause more frequently with RU in kara-clause than with TA. Based on these results, this study concludes that the negative nuance of CCB can be created by the emphasis of cause, equivalent to responsibility, kara-clause information being1) focalized and/or 2) foregrounded by sentence-final noda and/or selection of RU form respectively as well as Tamura’s (2013) pragmatic conditions and semantics.

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