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徳島方言における文末詞「だ」の意味機能について

島田 武(筑波大大学院)

本発表では,徳島方言における文末詞「だ」が,現在の事態が話者の想定と異なっているということを話し相手に伝える,という機能を持つことを種々の例から考察した.文末詞の「だ」は文末にしか現れず,またその前には「訴え」あるいは「モダリティ」を表す表現が必要である.典型的には,命令を表す表現である動詞の命令形(来いだ)と命令を表す文末詞(来なだ),間投詞のうち人に向かって使用されるもの(これっ/これだ),他の文末詞で「わ」(これじゃわだ)や「よ」(これをよだ)などがある.ほかに頻出する形式として「疑問詞~でだ/なだ」(何をするんでだ)があり,この表現には疑問詞が使われているけれども,答えを求めて発話されるのではなく,話者の驚きや困惑を伝えるために使用される.この形式の中には,疑問詞が述語の項となっていないもの(何を突っ立っとんでだ)もあり,この場合には文法化が進んで構文として働いていると考えられる.

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