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現代ロシア語と日本語における副動詞の談話的働きの違い

北上 光志(京都産業大)

ロシア語副動詞と日本語副動詞(動詞の連用形とテ形)はコンテクストによって様々な意味を表すことができる.両言語の副動詞の談話研究は従来いくつかなされているが,十分とは言えない.そこで,本発表は副動詞の談話的働きを調べるために,1) 副動詞のアスペクトと意味,2) 副動詞と発話表現の位置的関係,3) 副動詞と物語の重要人物(発話回数によるシチュエーションでの重要人物特定)との関係,という基準を提案し,各々の言語で書かれた現代小説を資料として,そこに用いられている副動詞を分析した.分析の結果,日本語の副動詞の方がロシア語よりも物語の主要な流れ(筋)を形成するコンテクストに積極的に参加することが明らかになった.このような副動詞の使い方の違いには,両言語における感覚,感情表現や登場人物のことばの作者のことばへの取込みの有無から判断すると,両言語の主観性の違いが反映されているものと考えられる.

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