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アラビア語チュニス方言の否定表現について

熊切 拓(東京大大学院)

アラビア語マグレブ方言に属するチュニス方言では,一般的な否定文を作る際に,動詞・人称辞等が2つの要素(否定の意味を担う前部要素と後部要素)の間に置かれる.一方,否定文においていくつかの特定の語が用いられる場合には,前部の否定要素のみが現れ,後部要素は現れない.

否定文におけるこの後部要素に関しては,従来の研究では,これが否定極性語と相補分布するとの観察が報告されていた.これに対し本発表では,後部要素が現れない場合について例示・分類した上で,否定極性語という概念のみでは後部要素の分布をとらえきれない場合があることを指摘した.さらに,チュニス方言で用いられる2つの否定要素のうち,一方が使用された場合にしか後部要素が現れないという事実に着目し,否定要素の選択そのものが,後部要素の出現を規定する前提条件であることを述べた.

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