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スンバワ語(インドネシア)の「関係節」

塩原 朝子(東京外国語大)

スンバワ語の関係節は,関係節化される名詞に後続する.関係節化される名詞に相当する要素は関係節内に現れない.関係詞には以下の三種類があり,意味的要因によって使い分けられている.(名詞句の単文中での形(格)はそれが関係節化される場合の関係詞の選択と直接には関係しない.)

(i) adé: 動詞の表す動作と比較的関係の深い事物[動作主,動作の対象,二者間のもののやりとりの相手(ものの受領者など)を表す名詞句]の関係節化
(ii) pangq(場所を表す名詞に由来する): 場所を表す名詞句の関係節化
(iii) dengan(随伴者,友人を表す名詞に由来する): 随伴者を表す名詞句の関係節化

また,動作主を表す名詞句以外が修飾される場合は,関係節内に動作主の人称を示す人称接辞が置かれる.

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