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A computational analysis of uniqueness points in auditory word recognition in Japanese

米山 聖子(オハイオ州立大大学院)

本研究では,Cohort theory (Marslen-Wilson, 1984; Marslen-Wilson & Tyler, 1980; Marslen-Wilson & Welsh, 1978) の基本概念である uniqueness point (UP) が日本語において有用であるかを Luce (1986) の分析方法に従い,日本語の電子辞書を用いて検証した.その結果,(1) ほとんどの日本語の語彙において UP が語彙の終わりよりも後に起こり,その有用性は低いこと,(2) 語彙表示としてピッチの情報を含み音韻処理の単位がセグメントである場合に最も多く UP が語彙の終わりよりも前に起こることを予測するが,この場合においても,UP が語彙の終わりよりも前には起こる場合は全体の48%しかないこと,(3) 長い語彙は,UP を語彙の終わりよりも前にもつ傾向にあるが,それよりも短い語彙に関しては,UP を語彙の終わりよりも後にもつ傾向にあること,(4),ピッチの情報を含む場合のほうがそうでない場合よりも UP が語彙の終わりよりも前に生起する確率が高いこと,(5) 音韻処理単位は小さければ小さいほど UP が語彙の終わりよりも前に生起する確率が高いことなどが明らかになった.

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