英語の助動詞,強調語にみられる語順と subjectification の度合の相関関係について
家口 美智子(神戸市外国語大大学院)
英語は中国語などのように語順が文法化されている言語であるといわれている.助動詞は AUX → TNS (MDL) (have-ed) (be-ing) (be-ed) という配列制約がある.これは,話者が implicit に言語化された表現ほど左方に出現し,話者と切り離された表現ほど右方に出現する規則による.よって,can のような non-deictic な表現の右方に現在形では deictic な読みしかできない have などは出現できない.また,強調語における語順も同一の配列規則が働いている.よって最右方にしか出現できない very の non-deictic 性を語用論の制約,スコープ,意味制約などから考察した.