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行為を数える助数詞「回」と「度」の比較

飯田 朝子(東京大大学院)

「本を3{回/度}読む」のように,行為(出来事を含む)を数える日本語主要助数詞には「回」と「度」がある.本発表では,新聞記事から採取した用例を参考に,共起する数詞や行為の性質との関係を出現頻度の観点から検証し,意味と用法の比較を行った.

「回」と「度」は,広い範囲で置き換えられ,基本的には「回」と「度」の意味と用法は重なる部分が多い.但し,「回」が「度」に優先するのは以下の場合である: (1) 接頭辞「第」「全」を付与して数える場合 第1{回/度} (2) 共起する数詞が少数及びゼロの場合 1.5{回/*度}, 0 {回/*度} (3) 規定された時間枠(期間)の中で規則的に継続・反復するものの頻度数をいう場合 (4) 行為の連続・合計・分割を数える場合 (5) 次の行為が予測可能な場合.「回」は規則的に継続・反復する性質の強い行為の頻度や行為の合計数・分割数を数え,「度」は,不定期的に継続・反復されたり,次回の行為を予測するのが困難な行為を数える.

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