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「すむ・すませる」構文と出来事の終結性について

福安 勝則(鳥取大)

所謂〈節約〉の言語的把握及び〈出未事がすむ〉の意味を,「昼食を最寄りの店ですませた.」のような構文を用い,「或る基準以下だが,当該の活動を満たす条件をクリアーしている」 (make-do) の読みに焦点をあて分析した.

この構文の,理想未満,最低条件保持などの特徴と,(a) 出来事の完了,(b) その出来事が完了する条件/状況としての出来事,(c) 予想される標準的/理想的基準の想定,の3点の含意を指摘した上で,出来事と個体の解釈の関係,及び 「比較/選択」の観点から,場所の手段・状況読み,多重「で」句,強勢,“2役性”,個体の出来事読み,モダリティー,「で」句の多様な意味役割などの説明を試みた.その際に,「すむ・すませる」構文の「で」句は,或るタイプの出来事の一例として選択された出来事と解釈されることを主張した.完了した“一例”としての出来事は,それが属する上位の出来事を終えたことになる.

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