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バンティック語の小辞 -te が動詞のアスペクトに与える影響について

内海 敦子(東京大大学院)

オーストロネシア語族に属し,インドネシア,スラウェシ島北部で語されているバンティック語には様々な小辞が存在する.小辞 -te は動詞だけでなく,名詞や否定辞にも後続し,様々な機能を果たすが,本発表では動詞に後続した場合を取り上げて考察する.バンティック語において,すべての動詞は時に関して,未完了形と完了形の二つの形を取りうる.小辞 -te が未完了形に後続したとぎは,第一に,動詞で表される行為が,未来において確実に行われるという事を表す.よって,決断を表す場合や既にその行為が行われ始めている場合は必ず -te が必要となる.第二に,過去の状態と対照的な現在の状態を表す未完了形にも -te が必要である.完了形に後続する場合は,第一に,現在まで続く行為を表す動詞に後続する.第二に,非常に近い過去において終了した行為を表す動詞に後続する.このように,時に関して二つの動詞の形しか持たないバンティック語において,小辞 -te は時に関する様々な意味を付与する働きをする.

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