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ホメーロス・ギリシア語における印欧祖語の Caland's system とその解析

吉田 育馬(日本学術振興会(筑波大))

Caland's system とは印欧語の中でもとりわけギリシア語とインド・イラン諸派において組織的に保存された形容詞-名詞間の相関関係であり,IE *-ú-s,*-ró-s, *-nó-s に終わる形容詞は比較級で *-́yōs,最上級で *-́istos による形を持ち,複合語前分では *-i- による結合形をとり,*-́os~*-́es- による中性名詞とその派生形容詞 *-ḗs~*-és(-) と相関関係を持つという印欧語独特のシステムである.

Skt. r̥jrá- 「輝く」,結 R̥jí-śvan- (cf. Hitt. ḫarki-š「白い」)
Gk. κῡδρόσ 「光栄ある」,比 κῡδίων, 最 κῡ́διστοσ, 結 κῡδι-άνειρα Γ男に誉れを与える」,κυ̃δοσ(詩)「栄光,名誉」,ἐρι-κῡδήσ「名高い,名誉ある」

ここでは,γλυκύσ「甘い」,εὐρύσ「広い」,πολύσ「多い」といった u-語幹形容詞における階梯の違いと結合形の *-i- の起源を自ら集めたホメーロスと抒情詩のデータによって検証してみた.

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