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助詞「モ」における「方言―共通アクセント」併用の文法的機能

布村 依子(富山大)

「名詞A+モ~,名詞B+モ~.」型文において富山の若年層には,共通語的場面で名詞文節のどちらか一方を強調する場合に,「モ」卓立という方法の他に,強調しようとする名詞文節に伝統的方言アクセントを用い他方は共通語アクセントを用いる「方言-共通語アクセント」併用という方法がみとめられる.本研究では,3種類の「モ」(共通語・方言・卓立)を合む文の録音音声を用いて知覚実験を行った.結論は,次のとおりである.

(1) 富山若年層における「モ」の「方言-共通語アクセント」併用は,高い割合の人々に表現効果がみとめられており,一般的強調方法とみなして差し支えない. (2) 「モ」卓立と「方言-共通語アクセント」併用の両方に強調効果をみとめている人々にとっての強調効果の序列は前者が後者より強い.(3) 「モ」の「方言-共通語アクセント」併用は,方言形か否かという意識とはかかおりなく,文法的機能を担っている.

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