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フランス語半過去形のメンタル・スペース理論による解釈方略の提示

加藤 千尋(東京大大学院)

フランス語の半過去形は文脈や状況,前出の文の過去の時点を前提とし,またこの時点における行為・状態などを述べる「照応」としての時制だと Berthonneau et Kleiber (1993) らは論じている.また彼らによると,半過去形で表された時間は先行詞たる時間に包括され,そこには「全体-部分 (méronomique)」の関係が成立する.しかし,本稿では先行詞たる時間が半過去形で表された時間に対し常に全体を表すとは限らないと主張する. また,メンタル・スペース理論による時制の解釈によって半過去形を捉えると,照応という点では Berthonneau et Kleiber (1993) らの見解とほぼ一致するが 「全体-部分 (méronomique)」の関係であるとまでは定義しない.さらに,これらの時間関係を表すために構築されたスペースは実際の解釈の上では他の要因,例えば事象間の因果関係などによって変更され得るものである.

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