英語の不変化詞の動詞用法について
吉田 幸治(近畿大)
本発表では (1) のような英語の不変化詞の動詞用法を考察の対象とし,これらの動詞に特有の様々な特徴を明らかにし,そのような諸特徴の原因を探った.
(1) a. We downed bottles of local wine.
b. She upped and left without a word.
まず語彙語的特徴として,i) 自動詞も他動詞もあること,ii) 受動化か可能であること,iii) 統語的な操作を受けにくいことを示した.さらに意味的特徴として,比喩的/特定的な意味で用いられる場合が多いことを示した.また,名詞転換動詞との比較も行い,語彙概念構造に基づく説明が困難であることも示した.
結論として A) 一般的なもの,B) スラング的なもの,C) 文法化が関与するもの,D) 廃語と考えられるものの4種類に分類することを提案した.また,省略,上下のメタファー,着点の強調などが相互に関連していることも明らかにした.