日本語/English
日本言語学会について
入会・各種手続き等
学会誌『言語研究』
研究大会について
学会の諸活動
その他関連情報

時間のメタファーにおける移動方向のパラメター

篠原 和子(東京農工大)

英語の時間のメタファーでは,「未来は観察者に対面しつつ前方から接近し,観察者の後方にある過去に向かって過ぎ去る」「観察者が前進するのは未来の方向である」という移動の方向性があるとされるが,これと異なる方向設定をもつ言語の例がいくつか報告されている.しかし,時間と空間的前後の関係の認定はそう容易ではなく,研究者の間でも一致をみないことがある.本研究はこの種の混乱を整理するため,時間のメタファーにおける移動方向のパラメター設定を各言語で決定するための試験的な判定基準を提案し,これを用いて,英語と異なる設定をもつとされている言語のデータを検証し,そのうちいくつかの研究が不十分であることを示すとともに,今後さらに多くの言語を研究する際の指針を示す.提案した基準は,可能な4つのパラメターのうちいずれかが各々の言語の値であるかを決定するための基準を明確にするよう設定されたものである.

プリンタ用画面

このページの先頭へ