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Linguistic Ideology, Social Context and the Choice of 'Indexicalities' in a Japanese Family Drama

徳地 慎二(宮崎産業経営大)

本発表では,TV番組「渡る世間は鬼ばかり」における sentence-final forms と referent honorifics の分布を指標性 (Indexicality) との関連で分析し,これらの言語形式の選択には,Okamoto (1996; forthcoming) においても述べられているように,ウチ・ソトといった2分法の区別と,social context, Linguistic ideologyといった様々な要因が絡んでいることを指摘する.そして,これらの言語形式の選択に関する標準的な例と逸脱すると考えられる例を提示し,これらの言語形式の選択には自然言語の pragmatic な特徴である指標性の presupposing-creative な特徴が反映していることを見ていく.指標性を扱った先行研究としてはOchs (1990), Permentier (1994), Silverstein (1976; 1979; 1985, 1995)等が挙げられる.

先ず,第1・2節で social context, linguistic ideology, direct/indirect indexicality, presupposing/creative indexicality について概説し,第3節で詳細な分析に入る.先ず,同番組に見られる標準的な言語形式の選択について触れる.具体的には,(1) 血縁関係における親密さを指標する言語形式の選択 (2) 妻の夫に対する丁寧語の選択 (3) 第三者に対する敬意形の選択 (4) 義理の親子関係における言語形式の選択を取り上げる.次に,これらの標準的な選択から逸脱するデータを提示し,これらの選択が話し手の肯定的・否定的感情と密接に絡んでいることを指摘する.そして,こういった言語形式の変化には指標性の特徴である話者の "creativeness" が反映していることを併せて指摘する.

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