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古典シリア語における対格マーカーとしての l-(lāmad)の出現条件について

楢崎 勝則(京都大)

古典シリア語(以下シリア語)の前置詞 l-(lāmad) は様々な機能をもつ.その機能のうち必ずしも義務的でない対格の標識として出現する条件を考察する.

対格標識(以下 AM (Accusative Marker))の出現条件については,特定の条件は無いとする研究者もいる.しかし本発表者は Hopper & Thompson 1980 の動詞の他動詞性の概念,さらに Khan 1984 が提示する名詞句の階層性の概念を用いて分析を行った.

その結果,
1) mḥā' 'strike' と rāḥem 'love' の対比から +actionと-actionの動詞が目的語を取る場合AMの表われ方に顕著な差があることが判った.
2) 'ekal 'eat'/pf.sg, 'ekalw 'eat'/pf.pl. と ne'kwul 'eat'/impf.sg. との対比から +perfect と -perfect の動詞が目的語を取る場合,AMの表われ方には差は見られないことが判った.
3) gṭal 'kill' の分析によって固有名である目的語には100% AM が表われることがわかった.

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