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ロシア語副動詞形式の談話的特徴

北上 光志(京都産業大)

18世紀から19世紀にかけてのロシア文学作品においては,完了体副助詞に関して現代ロシア語では用いられていない現在語幹から形成される完了体副動詞現在と過去語幹から形成される完了体副動詞過去の両方(例えば,uvidja と uvidev)が多く使用されている.これらに関する従来の研究は不十分であった.実際には時制の対立を持たない二つの副動詞の違いを本発表は新たな観点から指摘した.分析に際して,テクストの情報構造(前景・背景)と完了体副動詞現在,完了体副助詞過去の使用かどのように関係しているかということを考慮し,副動詞形式と動詞の語彙,副動詞形式と場面変化,副動詞形式と発話表現,語りの人称(1人称)に注目した.分析の結果,完了体副動詞現在の方か完了体副動詞過去よりも前景の特徴を強く持っていること,さらには完了体でも前景に積極的に参加する特性を持つものとそうでないものがあることを指摘した.

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