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中世末期日本語と現代韓国語のアスペクト体系について
―存在型アスペクト形式の文法化―

安 平鎬(筑波大)
福嶋 健伸(筑波大大学院)

本発表では,中世末期日本語と現代韓国語における,存在型アスペクト形式(~テイル,~テアル/-ko iss-ta,-e(a)iss-ta)・主に過去を表す形式(~タ/-ess-ta)・動詞基本形(あるいは基本形にほぼ相当する形式 -nu-ta)を対象に考察を行い,以下の結論を得た.

(1) 当該時代の~タと -ess-ta,及び基本形と -nu-ta には,現在の状態を表している例がある.(2) 当該時代の存在型アスペクト形式は,現代日本語の~テイルに比べると,存在動詞(イル/iss-ta 等)の意味が強く影響しており,文法化の度合いは,相対的に低い.このことが,上記 (1) に関与している.(3) 両言語の体系は 「アスペクトを表す形式からテンスを表す形式へ」という流れの中で,互いに似た段階にある.(4) また,両言語の体系は,存在様態(存在文の表している状態に近い状態)を中心としてアスペクト形式が拡張をみせるという,存在型アスペクト形式の文法化の一つの方向を見せていると解釈できる.

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