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ディスコース管理における談話標識
―インタビューと雑談の比較―

林 淑璋(東京大大学院)

本研究では異なるジャンルの会話資料における談話標識「でも/じゃ/あのー」を分析する.インタビューと雑談が発話上の役割指定と話題推移の意図的制御により両極に位置付けられているという仮説を,談話標識の「情報管理・会話管理」機能から検証する.

インタビューでは,特定の情報を引き出すために必要な役割指定と話題制御という特徴は,副構造情報を論理的に述べる「でも」の「対立・対比・補足」機能と,主構造情報を提示できる「じゃ」の「展開型・切替型」機能が多用されていることから検証される.一方,雑談では自由な話題展開と話者交替という特徴は,「でも」の「ターン取得による話題展開」機能と,「じゃ」の「相づち的・共話的」機能が多用されていることによって証明される.また,「あのー」は談話ジャンルにおける話者の役割・人間関係により「儀礼的・働きかけ的」か「検索中・不確定性」かという機能が使い分けられている.

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