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西フリジア語の名詞抱合の特徴と抱合動詞の形成

清水 誠(北海道大)

名詞抱合が広く認められるフリジア語群の中から西フリジア語(Westerlauwersk Frysk オランダ・フリースラント州,話者約40万人)を例に,抱合型言語に分類されない印欧語のゲルマン語でも名詞抱合が認められる事実に注意を促し,西ゲルマン語類型論の視点から7点の特徴と3点の考察を施した.とくに,Dijk (1997) とは異なり,「名詞+動詞」型で動詞の意味役割を充足するタイプ(例. hy kofjedrinkt 「彼はコーヒーを飲む」)と,「動詞+名詞」型で動作の分類を示すタイプ(例. hy knarstosket 「彼は歯ぎしりする」)を認めた.また,西フリジア語に「小辞 (particle) 抱合」が存在しない理由は,継続アスペクトを示す「行為動詞」を形成し,他動詞を自動詞化する項構造の変化を伴う名詞抱合にたいして,小辞抱合は完結・完了アスペクトを示す「達成動詞」や「完成動詞」を形成しやすく,自動詞を他動詞化するように,対立する性質を示す点にあると提唱した.

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