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Context における Pragmatic Meanings について

徳地 慎二(宮崎産業経営大)

本発表の目的は言語行為が我々の社会・文化的考えや行動を捉える際の重要な分類システムであるという認識に立脚し,発話の果たす意味や役割を context との関わりで分析することにある.そして我々日本人は,発話の際,話し手は聞き手等が,男女の区別,職業といったマクロ的要因を思考するだけでなく,また談話の流れの中で相互作用的に生じてくる話者の心理的状態,ウチ・ソトの区別といったミクロ的要因にも思考を向けねばならず,また,同時に自分のアイデンティティをも思考した上でそれらの要因を言語形式として範疇化していることを指摘する.その際,言語形式と社会・文化的要因とは必ずしも1対1の関係になくマクロ・ミクロなレベルで複雑に絡み合っていることを併せて指摘する.最後に,言語データを context から切り離して分析することには限界があることも指摘し,自然発話を基にしたデータ採集が必要となり,社会学,人類学といった分野からの知見をも必要となってくること述べる.

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